首都直下型地震対策について

小規模事業所での災害備蓄など

当事務所の代表木田が災害対策が趣味なこともあり、当事務所では災害対策や災害備蓄に真剣に取り組んでいます。

顧問先の会社経営者さまより当事務所での災害備蓄や災害に対する考え方についてご質問を頂く事が多々あり、本ページにおいて当方の災害への考え方や災害備蓄についてまとめておきます。

本ページにて小規模事業所(従業10名以下)ないし家庭での必要備蓄や必要な情報についてまとめましたが最新の防災設備を備えたオフィスビルに入居している大規模オフィスにおいても、参考になるものと存じます。(なお、当方は災害対策の専門家ではありませんので、記事については各自ご判断ください)

災害は主に首都直下型地震を想定しております。

オフィスでの十分な災害備蓄=従業員が安心してオフィスにとどまるためにも必須

首都直下型地震に際し、経営者として最も最優先すべき事項は従業員や取引先の生命確保であると考えます。

国による首都直下型地震の被害想定では最大死者数23,000人、うち火災による死者が16,000人建物倒壊による圧死が6,400人と火災と建物倒壊が死因の97%を占めています。

この点、①オフィスが新耐震基準(1981年以降築)の鉄筋コンクリートで、②複合機や棚などが固定されている のであれば、オフィス内において建物倒壊や火災で死者が出る可能性は低いのではと思います。

一懸念されることとしては、例えば都心にオフィスがある場合において千葉、神奈川に住んでいる従業員が東日本大震災時の徒歩帰宅の経験を踏まえて、発災当日に徒歩帰宅し、火災に巻き込まれることでしょうか。下の図をご覧ください。

NHK news webサイト「首都直下地震 死者の多くは火災で」

(出典:中央防災会議資料を基にNHK作成)

https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/natural-disaster/natural-disaster_15.html

こちらの図は首都直下型地震発生後の火災予想マップです。

都心を囲ドーナツ状の木造住宅密集地域に火災が予想されております。すなわち都心から郊外の自宅に徒歩帰宅すると、火災に巻き込まれて最悪死亡する可能性があるのです。

そうすると経営者としては従業員に

社長「都心を囲むように火災の発生が予想される。正確な情報を収集し、火災が収まるまではオフィスに滞在するように」と指示することになります。

防災知識や災害備蓄がない場合の最悪のシナリオ

ここで、十分な災害備蓄がない場合はどうなるでしょうか?

従業員A「社長、停電となり、テレビ・PCがつきません

社長「そうか・・・ビルの非常用電源も稼働していないみたいだな」


従業員B「社長、通信が混雑し、スマホで家族と電話もSNSでも連絡が取れません。スマホでツイッターだけは稼働しましたが東京が大変なことになっているようです」

社長「そうか、不安だよな。」


従業員C「断水していてトイレも使えません

社長「それは困ったな」

***発災から8時間後***

従業員D「SNSが復旧しました。しかし、みんなスマホの充電がなくなってきました。このため、ネットで情報が得られません。家族ともスマホで連絡がまだ取れないので、やはり心配なので千葉の松戸の家に歩いて帰ります、オフィスもトイレも食料も心もとなくとても数日滞在できる環境になく」

社長「そうか。くれぐれも気をつけてくれ」

***その後、徒歩帰宅した従業員のうち数名が火災に巻き込まれ、また1名が群衆なだれに巻き込まれて負傷と後日判明***


上記はあくまでも筆者の考える架空のシナリオですが、将来の首都直下型地震においてこのようなシナリオなる可能性は十分あるのではと思います。

十分な災害備蓄がある場合のシナリオ

一方で、十分な災害備蓄がある場合はどうでしょうか?

従業員A「社長、停電となり、テレビ・PCがつきません

社長「こんなこともあろうかと当事業所では蓄電池を保有している。蓄電池を稼働して液晶テレビに電源供給し、NHKを流してくれ。」


従業員B「社長、通信が混雑し、スマホで家族と電話もSNSでも連絡が取れません。スマホでツイッターだけは稼働しましたが東京が大変なことになっているようです」

社長「そうか、不安だよな。でも火災に巻き込まれるリスクがあるし、群衆なだれに巻き込まれる可能性もある。オフィスにとどまるようにしてくれ。」


従業員C「断水していてトイレも使えません

社長「非常用のトイレキットを使ってくれ」(非常用トイレキット、便座にゴミ袋を設置し、消臭・凝固剤を用を足す都度使用)

***発災から8時間後***

従業員E「SNSが復旧しました。しかし、みんなスマホの充電がなくなってきてきてネットで情報が得られなくなってきました。」

社長「蓄電池でスマホの充電を行うことを許可する」

従業員E「おかげ様でスマホの充電ができ、家族の無事が確認できました。都心周辺の火災がおさまったことをNHKニュースで確認してから、帰宅することとします。」

***NHKニュースにて火災が鎮火し、さらなる火災の恐れがなくなった状況になってから全員、無事帰宅**


事業所で備えおくべき防災用品

1、蓄電池・照明・電池など

まずは、蓄電池・電池関係です。首都直下型の本震を生き延びた後、生存に関して以下のリスクがあります。

・主に木造密集地域での大規模火災の発生。帰宅中に火災に巻き込まれ焼死のリスクあり。

・地下街や繁華街での群集雪崩(火災などでパニックになった群衆により押しつぶされて圧死)のリスク。

上記に対応するためには、正確な情報(スマホでのNHK ニュース防災アプリなど)が必要ですが、そのためにはスマホの電源が不可欠です。

①蓄電池(SUAOKI G1000)

こちらの蓄電池を各事業所に1つ購入しておきましょう。14万円弱と値がはりますが、停電時において事業所のスマホ電源等として使用できます。またG1000であれば24型液晶テレビも20時間程度使用可能です。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07X5TSK6R/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o07_s00?ie=UTF8&psc=1

詳しい商品説明はこちらをごらんください。

6万円弱で購入でき、1グレード下がるG500という機種もありますが、こちらは家庭用です。事業所ではG1000を購入しましょう。

SUAOKIというのは中国のメーカー(アメリカブランドとして販売)なのですが、私はG1000を事務所用に、G500を自宅用に2つ所有しておりますが、素晴らしい性能です。リチウム電池というものは、通常しばらくしようしないと容量が減っていくのですが、こちらの期首、満充電して約4ヵ月放置していても満充電のままでした。超高性能です。

②LEDランタン

LEDランタンについては、台風被害や地震があるとネットでまっさきに品薄になります。今のうちに各フロアに1個程度購入しておきましょう。停電で真っ暗な中、事業所で夜中にトイレに行く際など必要ですよね。

私はこちらのGENTOSのランタンが好きです。

③乾電池

乾電池は、LEDランタン用に単1電池(長期保存できるエボルタでいいのでは)を大量購入しておきましょう。

3、寝袋マットレス

当事務所では、営業時間内に首都直下型地震発生の場合、従業員に対して最大1週間程度事務所にて滞在を推奨しています。理由は、都心を囲むように木造密集地域があり、火災の可能性が高いため、都心にある当事務所から郊外への帰宅は危険だからです。

この際、事業所職員人数分の寝袋が必要になります。

寝袋は、だいぶ以前に購入したものなので銘柄などは不明ですが、あるのとないのでは大違いです。

なお、当事務所ではキャンプ用のマットレスも事務所に備蓄していますが、備蓄に場所をとるので段ボール等で代用可能かと思います。

なお、阪神大震災では地震発生から3日後など、本震による火災陳篭においても、新たな通電火災の発生がありました。帰宅までの道の安全性確保については慎重に対応する必要があります。

2、水・食事・燃料

①水

Lミネラルウォーターを滞在人員1名当り1日3L、2週間分備蓄があればよいでしょう。ウォーターサーバを使用している事業所はそちらで安心ですが、私もコストを計算しましたがウォーターサーバのコストよりも、Amazonで2Lペットボトルを箱買いしたほうが安いですね。殻になったペットボトルを捨てるのが大変ですが。

②食料

食料に関して一番のネックが普段食事しないものだと、結局1年~2年後に賞味期限切れで廃棄の必要が生じることです。当事務所では、代表がコレステロールが高めであることから、日常的に週に1回は事務所内のランチをとる場合は、佐藤のご飯とサバ缶を頂くようにしております。

その1 サトウのご飯

当事務所では食事は米(サトウのご飯)を職員数×1日3パック×1週間分備蓄するようにしています。ごはんはヤカンでお湯を温めて、お湯でパックを温める予定です。

その2 鯖缶・カレー缶・即席お吸い物

サバ缶(味噌味)を人数×10缶程度、その他のカレー缶等を適宜備蓄しています。

その3、カセットコンロ&ヤカン

災害時に、温かいお湯やカップスープを飲みたいと思っています。当事務所では以下を備蓄しています。

*カセットコンロ(Amazon

*ヤカン(Amazon)底が薄い者の方が燃料代が節約できます。

*カセットガス(Amazon)カセットガスはブタンという長期保存しても安定した液化ガスですので、長期保存に向いています。

3、トイレ用品

忘れてならないのが、トイレ用品です。当事務所では以下を備蓄しています。

トイレ凝固剤(Amazon


いかがでしたでしょうか?

上記を是非、皆さまの事業所での災害備蓄にお役立ていただければと存じます。

上記の他に備蓄すべき用品についてお知恵がございましたら、是非ともご教示くださいませ。